Details:
この投稿は、Raspberry Piのボードを持っていない方向けのINTAconnection Trial Packageのインストール方法になります。
※1 本ソフトウェアには容量が合計で9GB以上必要です。PCの空き容量をご確認の上、インストールを行ってください。
※2 この投稿では「QEMU」というソフトウェアを使用します。QEMUを使用の際は、パフォーマンスを上げるため可能な限り別のソフトウェアは閉じた上で実行することを推奨いたします。
※3 この投稿で紹介する方法では制限事項が2点あります。
1.Raspberry PiのGPIOをConnectedPLCで制御することはできません。
2.SenseHATカテゴリのFunctionBoxを使用することはできません。
GPIO制御、SenseHAT FunctionBoxを使用する場合は、Raspberry PiとSenseHATを購入する必要があります。
①初めに
INTAconnection Trial Packageをダウンロードいただき、誠にありがとうございます。ILCの永坂と申します。
本投稿では、PCでConnectedPLCを利用するための手順を紹介いたします。
使用するソフトウェアはQEMUで、OSはWindows10(64bit版)です。
QEMUとはオープンソースのプロセッサエミュレータであり、CPUやメモリやI/Oデバイスなどを含めたシステムのエミュレーションを可能にするソフトウェアです。
QEMUの実行に必要なRaspberry Piイメージファイルに関連するファイル、およびQEMU実行用スクリプトファイルを添付しております。
添付しているzipファイルをダウンロードしてください。
添付ファイルの使用方法およびQEMUの起動方法は、「③Raspberry Pi OS with desktopのイメージファイル取得」の項目に記しています。
②QEMUのインストール
QEMUとはオープンソースのソフトウェアとして無償で公開されるプロセッサエミュレータです。パソコン上でRaspberry PiなどのCPUやその他周辺機器の処理を模倣できるソフトウェアです。
Raspberry Piのエミュレータ環境として多くの情報が公開されており、トラブルシュートが比較的容易であるため、こちらのソフトウェアを選定しました。
ここでは、QEMUのインストーラの入手先とインストール手順を紹介します。
1.https://qemu.weilnetz.de/w64/ に移動し、QEMU Installer for Windows (64 bit) の実行ファイル(.exe)を入手してください。「qemu-w64-setup-XXXXXXXX(年月日).exe」
2.インストーラに従ってQEMUをインストールしてください。
③Raspberry Pi OS with desktopのイメージファイル取得
1.ファイル「2023-05-03-raspios-bullseye-arm64.img.xz」をクリックしてダウンロードしてください。
2.ダウンロードしたイメージファイルを解凍してください。
※7-Zip等で解凍可能です。
3.ダウンロードしたイメージファイルのリサイズを行います。「2023-05-03-raspios-bullseye-arm64.img」のファイルがあるディレクトリからコマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを入力してください。
「qemu-img resize ./2023-05-03-raspios-bullseye-arm64.img --shrink 8G」
※システム環境変数のパスが通っておらず実行に失敗する場合は次のようなコマンドを入力してください。このとき、下線の部分をqemu-img.exeが存在するディレクトリが異なる場合は、下線の部分のみ変更してください。
例「"C:\Program Files\qemu\qemu-img.exe" resize ./2023-05-03-raspios-bullseye-arm64.img --shrink 8G」
4.添付したzipファイルを解凍し、内容物を「2023-05-03-raspios-bullseye-arm64.img」のファイルと同じディレクトリに配置してください。
④QEMUの起動
1.添付した圧縮ファイルの中にある「run.bat」のうち以下の部分を確認し、必要であれば変更してください。
3行目: "C:\Program Files\qemu\qemu-system-aarch64.exe" 「qemu-system-aarch64.exe」のある絶対パスを入力してください。
2.run.batを実行してQEMUを起動ください。起動には数分かかる場合があります。
3.QEMUのGUIから、Raspberry PiのGUIの初期画面が表示されます。ユーザ名とパスワードは任意のものを設定してください。
後にConnectedPLCのインストールを行う際に使用します。
4.Raspberry Piの初期セットアップを行い、QEMUを再起動してください。
⑤INTAconnection Trial Packageのインストール
1.INTAconnection Trial Packageをこちらのリンク(https://station.ilc.co.jp/developer/community/download/)からダウンロードしてください。
2.INTAconnection_TrialPackage_StartupGuide.pdfの手順に従い、Node.jsのインストールまで行います。
3.INTAconnection Trial Packageの中にあるconfig.iniの記述のうち以下の2つを変更してください。
・sshport=2222 (run.batのhostfwd=tcpに設定しているポート番号)
・userName=(Raspberry Piの初期セットアップで設定したユーザ名)
4.run.batを実行しQEMUを起動したうえで、INTAconnection_TrialPackage_StartupGuide.pdfの手順に従い、INTAconnection EditorとConnected PLCのインストールを行ってください。
5.node-red-1.2.6のフォルダから「run.cmd」を編集で開き、デフォルトで記載されているアドレス(127.0.0.1)から、Wi-Fiで使用されているものなどの有効なIPアドレスに変更してください。
6.run.cmdを起動し、最下行にある「http://127.0.0.1:1880/」の文字列をコピーしてください。
7.ブラウザに手順6でコピーしたURLを入力し、INTAconnection Editorを起動してください。
8.INTAconnection Editorの右上の三本線から「CPLCパラメータ設定」を開き、「登録」をクリックしてください。
設定に成功すれば、INTAconnection_Editor_Operation_Manual.pdfの図3-52のように4つのログが出力されます。
9.プログラムを記述して、右上の「プログラム書込み」をクリックしてください。
お世話になります。
パソコンにどれくらいの空き容量が必要か、お分かりになりますでしょうか?
9GB程度は必要になります。
ご回答ありがとうございます。
なんとか空き容量を確保して試してみます。
QEMUにCPLCを入れて、INTALOGIC5エディタからプログラムを書き込んだりモニタしたりできるのでしょうか?